日本の会社のここがダメ!わずか半年で流星のごとく転職していったデイビッドを想う
同僚だったデイビッドが、会社をやめるというので理由を聞いてみた。
まさに日本企業に蔓延する風土病とでもいうべき内容であったため、自らの戒めとしてここに記したい。
デイビッド会社辞めるってよ!
会社にデイビッド(仮名)という若く優秀な社員がいた。
彼はドイツ生まれのトライリンガルで、若いうちからヨーロッパを渡り歩き、知り合いの縁で日本にある私が勤める会社で働くことになった。
デイビッドは
・学習スピードが物凄く早い
・他人の意見を聞きつつも、自分の意見をしっかり主張する
・とってもフレンドリー
・髭が似合うナイスガイ
であり、一緒に仕事をしているとすごく刺激的で楽しい人間だった。
スキルも多彩であり、遅かれ早かれこの会社に納まってはいられないだろうとは思っていた。
その間わずか6か月。思ったより早かったので、デイビッドに訳を聞いてみた。
いい仕事しても、評価されないよ!
デイビッド、仕事やめるんだって?
はい。
この会社のどこが不満だったんだい?
マネージャークラスの人間がみんな年齢が高いってことです。つまり、評価されるには長く勤めることが大事ということです。
私は、仕事は長く働いたかではなく、内容で評価されるべきだと思います。
うーんそうだね、それには同意だ。
田中さんは、この会社で他の人が持っていないスキルを持っているけど、私はそれが正しく評価されているとは思えない。
(こいつ・・・嬉しいこと言ってくれるじゃないの。)
ダメなところ1
・仕事の評価がいまだに年功序列とか信じられない
・評価スピードが遅い
評価に対する不満はよく聞く。
マネージャー層からすれば飛びぬけて優秀な社員が数人いるより、そこそこの人間がたくさんいる方が経営しやすいという話をどこかで見た。
年功序列賃金というのは、長く・横並びに社員を飼殺すのに向いている制度かもしれない。
もっとも私は優秀な人間ではないので、年功序列賃金の方が楽ではあるが。
5分遅刻したくらいで始末書なんて、ケツの穴が小さいよ!
この間渋滞に巻き込まれて、少し遅刻しました。
そしたら、怒られた上に書類を書かされました。
この会社は、もっと柔軟性があった方がよいです。
遅刻か・・・。怒る理由もわかるけどね。
でも日本はもう少し時間にルーズになっても良いとは思う。
働き方も、なぜ毎日同じ時間にこだわるのでしょう?
月曜日は元気だからたくさん働いて、金曜日は疲れたから午後はお休みでもいいと思います。
ふむ
工場のような、作業の効率性が求められる現場ならわかります。
でも、私たちが行っているクリエイティブな仕事に、この働き方は合いません。
確かに私も金曜日の15時以降は物凄くパフォーマンスが落ちていると感じる。
というか、日によって様々だ。
会社はワークライフバランスを謳っていますが、社歌の歌詞を見てください。
「人生を会社に捧げる」とあります。
これは矛盾しています。
今気づいたけど、とんでもねー歌詞だなおい!
ダメなところ2
・真にパフォーマンスのことを考えた働き方ができていない
・ケツの穴が小さい
最近は、在宅勤務やフレックスタイムなど働き方に対する考え方も徐々に柔軟になってきてはいるが、まだまだ枠に囚われているのかもしれない。 休日出勤にだけはやけにルーズなのだが。
日本の文化を言い訳にするな!
私はこういったことを上司に意見してきました。
うん。そしたらなんだって?
「ここは日本だ」と言われました。
それ一番言っちゃいけないやつだな。
でも、日本には良い働き方している会社が他にたくさんあります。
私の友人は電車で2時間かけて出勤していますが、出社時間は何時でもOKですよ。
この会社に来て私はカルチャーショックを受けました(笑)
IT企業は結構柔軟だよね。
イエス!(満面の笑み)
あと、こうも言われました。
「石の上にも三年」
ドイツ人相手になんという説得の仕方・・・。
ダメなところ3
・日本の文化を言い訳にする
・ことわざで説教しちゃう
会社に限らず、「今までこうだったから」という理由で思考が停止しまっていることはよくあるように思う。
私は、結婚するときに結婚式を挙げたくなかったのだが、「普通やるものだ」と主張する両親と、生まれて初めてのガチ喧嘩をしたのを思い出した。
過去の慣例を尊重するのは構わないが、それを理由に多様性を否定するのは何とも窮屈である。
この後、彼は転職先での仕事のことや今後の目標などを笑顔で語ってくれた。 イケメン爽やかマスクがより一層輝いて見えた。
田中さんは何か、目標はありますか?
ん?
私は自分勝手だからなー。
楽して暮らしたい。
Haha! 私もです!
絶対嘘だろ!
デイビッドの意見には、楽して暮らしたい私にとっては相いれないものもあった。
だが、多様性・柔軟性を受け入れるという点においては全面的に同意するし、そうあるよう努力したい。
彼のような刺激的な人間がいなくなってしまうのは非常に残念である。
以上が流星のごとく会社を去っていったデイビッドについての記事である。
今思えば、あんなに優秀人間が私の周りにいたというのは信じられないことである。
果たして彼は本当に存在していたのだろうか?
まさかとは思うが、この「デイビッド」とは、わたしの想像上の存在に過ぎないのではないだろうか。
ぶるぶる
おわり
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