最強から最弱まで~心に残るウルトラマンの怪獣10選。
先日実家に帰った際に、とんでもないお宝を発掘してきた。
ウルトラ怪獣全百科である。
初代ウルトラマンからウルトラマンレオまでの怪獣のデータが載っている子供にはたまらない図鑑である。
(おまけでウルトラQの怪獣やウルトラの国の詳細も載ってる)
子供のころの私はウルトラマンが大好きで、この図鑑もボロボロになるまで読み込んだものだ。
一口にウルトラ怪獣と言ってもオーソドックスなものから不気味なもの、コミカルなもの、明らかにネタ切れなもの、と非常に色んな奴がおり、 ウルトラシリーズの最大の魅力と言っても良いだろう。
今回はこの怪獣百科のうち、ウルトラマンと闘った怪獣から特に心に残るやつを私のセピア色の思い出とともに紹介しよう。 プロフィールはこの本から引用させてもらう。
宇宙怪獣ベムラー
"身長/50m 体重/2万5千t 出身地/M35星
宇宙の裁判所で死刑の判決をうけ、死刑場の宇宙墓場に護送される途中、地球に逃亡してきた。"
ウルトラマン記念すべき第1話登場の怪獣である。背中のトゲトゲがとってもチャーミング。 何でも頭に宇宙ってつければ良いと思ってるところも、スタッフの手探り感と適当感がにじみ出ていて良い。
こいつを追ってウルトラマンは地球にやってくるのだ。
しかしウルトラマンも護送中の死刑囚を取り逃すなんてとんだ無能である。しかも一人犠牲者まで出ている。
こんな大失態を犯したにも関わらず、特に責任を問わないウルトラの国は身内主義のとんだ甘ちゃん国家である。
ストーリーは結構グダグダで、「早くウルトラマン出せや!」とイライラしながら見てた記憶がある。
宇宙忍者バルタン星人
身長/ミクロ~50m 体重/0~1万5千t 出身地/バルタン星~R惑星
"口から白色破壊光線を出し、両手のハサミからすべての物を一瞬にして凍らせ、固めてしまう冷凍光線をだす。"
ウルトラ怪獣の中でもトップクラスに有名なバルタン星人だが、話の中では宇宙忍者よろしく 分身したり合体したり急に現れたりするので、かなり怖い。
ウルトラマンが必殺技の「スペシウム光線」を初めて使うのだが、その「スペシウム」という成分が たまたまバルタン星人の弱点というご都合主義。バルタン星人はウルトラマンの必殺技をひきたてるために生まれてきた悲しい存在なのである。 フジコ隊員が満面の笑みで「スペシウム光線ですね!」というシーンが忘れられない。
以後、文字通り末代にいたるまでバルタン星人はウルトラ一族に蹂躙される運命をたどるのであった。
昔クイズ番組で、毒蝮三太夫が「バルタン星人の主食は米だ」って言ってた。
どくろ怪獣レッドキング
身長/45m 体重/2万t 出身地/多々良島
凶暴で、好戦的な性格。腕の力は、1万トンのダイナマイトが1度に爆発したものと同じ破壊力。
八つ裂き後輪によって首をはねられるという子供向けの番組とは思えないショッキングなやられ方をした怪獣。 ちなみにウルトラマンとは2度闘っている。
他の怪獣を倒して粋がったり、投げようとした岩をスペシウム光線で破壊されてブチ切れたりと 動きがコミカルで非常に愛らしい。どくろ怪獣なんてとんでもないラブリー怪獣である。
でもピグモンを殺したのは許せないよね~。
見た目は特徴的で、全身ストローの曲がる部分みたいな皮膚をしており、柔軟性高そうな体をしている。
ゴモラとかもそうだが、野太いしっぽがいいよね。レッドキングの場合完全に直立してるからしっぽいらないと思うけど。
頭が恐竜の頭蓋骨に似ているから「どくろ怪獣」らしいが、私には近所のクソガキにしか見えない。
えり巻き怪獣ジラース
身長/45m 体重/2万t 出身地/ネス湖→川西湖
"数億年前の恐竜の生き残りで、中村博士(実は二階堂教授)によって、15年間もかかってひそかに飼育されていた。"
あのゴジラにえり巻きをつけただけのチープな怪獣であるが、 ウルトラマンの怪獣の中でもやられ方がバツグンに印象的なやつである。
ウルトラマンにボコボコにされたうえ、アイデンティティであるえり巻きを剝ぎ取られる。
剥ぎ取るというか、容赦なくむしり取られる。
あげくの果てにウルトラマンは剥ぎ取ったえり巻きを使って闘牛ごっこを始めるのであった。
最終的にジラースは弱って死んでしまうのだが(そりゃそうだ)、 犯人のウルトラマンは「やっちまったぜ」とばつが悪そうにえり巻きを ジラースの首元にそっと置き飛び去っていく。
弄ぶという表現がぴったりのこの一戦。正義の味方とは一体。 ウルトラマンの暗黒面を見せられる話である。
脳波怪獣ギャンゴ
身長/2.2~50m 体重/60kg~6万t 出身地/東京近郊
人間の脳波で何にも変化する隕石が、悪人の脳波によって変身した怪獣。
『何にでも変化する隕石』というのが子供心にすごく欲しかった。悪人が隕石を盗む気持ちもわかる。
「液体だ!液体になるんだ!」とか念じて隕石を液体にしたり、頑張って盗む悪人を応援したものである。
だが、こんなスゴイ石を簡単に盗めるようなところで管理している方がどうかと思う。 悪人っていっても一般人の記者だぜ。悪の組織とかじゃないんだぜ。
体の模様がキモイけど顔は可愛いんだよね。耳とかくるくる回ってるし。 本には"悪知恵にたけている"とあるが、どっちかというと間抜けで愛嬌がある感じだったな。 レッドキングもそうだけど、どこか人間臭さみたいなのがある怪獣は印象に残る。
古代怪獣ゴモラ
身長/40m 体重/2万t 出身地/ジョンスン島
大阪の万国博覧会場に生きたまま出品される予定だったが、輸送中目をさまし大暴れする。
あたまの兜のような角と、うんこみたいな野太い尻尾が印象的。
こいつ、ピンチになると穴掘って逃げるんだよね。見方によってはビビりだけど、 当時の私には一筋縄ではいかない強敵に映った。
尻尾はウルトラマンとの闘いのなかで切断される。 のたうち回るウンコに大興奮である。
なぜかこいつのソフビ人形もっていた。お腹の部分が大根おろしみたいになってて痛いんだよね。
凶悪宇宙人ザラブ星人
身長/1.8m~40m 体重/30kg~2万t 出身地/ザラブ星
"地球人と友好関係を結ぶため来るが、実際は地球の侵略を目的としている。自由にどんな姿にも変身し、ウルトラマンにも 化けた。"
ハヤタ隊員を監禁したり、偽ウルトラマンに化けて街で暴れたり、凶悪というかやることがセコイ。 巨大化したフジコ隊員が街を練り歩くシーンはその手のマニアにはたまらないだろう。
どの手のマニアだ。
でも話に緩急があり、場面が二転三転するので見ていて面白いストーリー。 なぜかこの話だけビデオに録画してあって何度も見た。
ザラブ星人がジェットビートルのコクピットに現れるシーンは何度見てもビビるぜ!
棲星怪人ジャミラ
身長/50m 体重/1万t 出身地/宇宙のどこかで怪獣化
某国が打ち上げた宇宙ロケットが遭難し、水の無い星に辿りついた。 中に乗っていた宇宙飛行士ジャミラは、異常な星の気候状態によって体質が変化し、怪物化した。
かわいそうな怪獣として有名だろう。まずは、元人間という生い立ちがかわいそうである。 未知の惑星で救助もなく、苦しみの末化け物になってしまったのた。そりゃ復讐もしたくなる。
また、やられ方もかわいそうだ。
ウルトラ水流とかいうウルトラシリーズ史上もっとも存在意義がわからない技の犠牲者である。
水が弱点なのは、良い。設定上理解できる。
しかしウルトラマンの手から水が出るのはおかしいだろう。きっと当時誰もが思ったはずだ。
しかもチョロっと出るのではなく勢いよくビシャーッと出る。
お前その水分どこから捻出してるんだよと言いたくもなる。
弱点がお手軽なせいで、なんとなく弱かったイメージになっているが、実際は結構強かった記憶がある。
三面怪獣ダダ
身長/40m 体重/7千t 出身地/ダダ星
"地球侵略の準備のため人間をミクロ化し、実験用に持ち帰ろうとした。忍者のように消え敵をまどわしたり、 人間にのり移って自由に操ることができる。"
ヤバイ。こいつはヤバイ。圧倒的にヤバイのはその見た目。怪獣とかそういうのじゃない。 見た目のインパクト以外なにも覚えていない。見た目最強のウルトラ怪獣は間違いなくコイツ。
おかっぱみたいな頭部は気持ち悪いし、でかい口も口裂け女を連想させてこわい。
顔面にある空気穴みたいなブツブツも不気味。
さらにボディには謎の縞模様があり一層気持ち悪さを引き立てている。
なんでこんなの作っちゃったのか、当時のデザイン担当者に問い詰めたい。 とにかく、子供のころの私はこいつが本当に嫌いで、この本でもダダのページだけ読み飛ばしていた。
友好珍獣ピグモン
身長/1m 体重/10kg 出身地/多々良島、大岩山
真っ赤な身体に、ぎょろっとした目。大きなお口に前に垂れただらしない手。
どう見てもガラモンです。
その貧弱なスペックからわかるように、戦闘力は間違いなく最弱だろう。 心優しい怪獣で、人間のために命を落とす。 その後、酋長怪獣ジェロニモンの力によって復活を遂げるが、またしても人間のためにその身を犠牲にする。 出身地が2つなのは一度復活してるからである。
パワーは弱いかもれしないが、心は強かった!
ちなみに1度目はレッドキング、2度目はドラコに殺される。ドラコ戦では、囮になるため奇声をあげながら飛び回り、最終的には叩き潰されてしまう。 私の実家にはなぜかこの叩き潰されるシーンだけが録画されたビデオがあり、ピグモンが殺されるシーンだけ何回も見た。 「囮になるため」という背景を知らない私は、後年真相を知るまで「ピグモンってなんて残念な怪獣なんだ・・・。」とずっと思っていた。
ごめんよピグモン。君は立派な科特隊員だったよ・・・。
宇宙恐竜ゼットン
身長/60m 体重/3万t 出身地/宇宙
地球征服を企むゼットン星人に操られている怪獣で、ウルトラ怪獣のなかで最も強く、ウルトラマンも倒してしまった。
言わずと知れたウルトラマン最後の怪獣。「1兆度の火球を吐く」という部分だけが広まっているが、 それ以外でもその異常なたたずまいや、電子音のような「ピロロロー」という鳴き声、 予備動作なしでのテレポート...等無機質的な特徴が、他の怪獣とは一線を画している。
最強最強とは言われているが、最後は人間の開発した超小型のペンシルロケット型の爆弾一発で粉々となる。
(文字通り粉々で、肉片がアラシ隊員やイデ隊員に降り注ぐ。)
この戦いに敗れたウルトラマンは地球を去ることになるが、ヒーローが最終回で負けるというのはなかなか衝撃だった (リアルタイム世代ではないとはいえ)。
ちなみにそんなトラウマを一瞬で消し飛ばしてくれる動画がこちら。
【ニコニコ動画】ウルトラマン最終回のBGMをこち亀にしてみた終わりに
こうして振り返ってみると、本当にバリエーションに富んだ怪獣ばかりだったのがわかる。
強い怪獣も弱い怪獣も、怖い怪獣も可愛い怪獣もみんな違ってみんな良い。
ちなみに私はまだピチピチの30代なので、当然リアルタイム世代ではない。 おそらく再放送やビデオ等で見ていたのだと思うが、世代を経てもウルトラマンの魅力はまったく色あせていないのだと感じる。
そんな魅力あふれるウルトラマンや怪獣たちをこれからも語り継いでいこうではないか。
(よーし、今回もうまくまとまったぞ)
今回の記事の出典:ウルトラ怪獣全百科(コロタン文庫)
ちなみにレビューによると全百科と言いつつ除外されている怪獣もいる模様。
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