尿管結石という地獄体験、再発率の高さに今から震えてる

あなたは尿管結石になったことがあるだろうか?

あの、「なると死ぬほど痛い」とかいうやつである。
なったことがない人、あなたは幸運だ。どうかその幸せな状態のままで人生を謳歌していただきたい。

私は先日、尿管結石になった。
噂にたがわぬ壮絶な痛みは、ヒトという知的生命体としての尊厳がこなごなに砕け散るかのごとく経験であった。

なんと言うか、
もうマジでスゲー痛かった
ので、この苦しみの経験を誰かに話したくて話したくて、筆をとった次第である。

なんの前触れもなくその時がきた

ある日の未明。
ふと目が覚めると、右わき腹が痛かった。

寝ぼけていたからなのか、最初はその痛みの深刻さに気付かなかった。

「なんかよくわからないけど、おしっこすれば治るのでは?」 と思い立ちトイレにたったものの、私のおしっこへの信頼は裏切られた。

徐々に痛みが増し、立っていられなくなった私は寝室の床にうずくまり、やがて動けなくなった。
かろうじて妻に救急車を呼ぶように頼み、あとはひたすら泣きじゃくる5歳児がごとく「痛い痛い」とうめき続けた。大の男が、「痛い痛い」とうめいているのは、はたから見るとさぞ情けない姿であったろう。だが外聞など気にする余裕はない。

「小学生の頃、ふざけてフェンスの上を歩いていた時に足を滑らせて、鉄枠のカドに金〇玉を打ち付けて出血したのが人生最高の痛みなんすよ~」とか自慢していた自分が恥ずかしい。
世の中にはこんな痛いことがあるんだ。これは傲慢な私への罪である。

そんな私の様子を見て妻は、
「しゃべれてるなら大丈夫っしょ」 と思って見ていたらしい。

まあね。そうなんだけどね。

救急車も病院も地獄

やがて救急車が到着し、担架で運びこまれる私。
「妻には、大丈夫だから慌てずゆっくり病院に来るように伝えて欲しい」と、救急隊員のお兄さん(だと思う)に伝えた。深刻な状況で、なんとなく切実になる。
救急隊員のお兄さん「わかりました!じゃあ、出発してくださーい!」

こいつは何を聞いていたのか。わかりましたって、何もわかっていないではないか。妻に私の切実な伝言を伝えずに出発するのか。私の頼んだ伝言は1秒で忘れたのか?

仰向けでも横になっても丸くなってもさすっても、痛みは文字通り微塵もやわらがないので、正気を保つためにベッドのシーツをひたすら手でこするという奇行で気を紛らわせた。

家でうずくまったあたりから、痛みでほとんど目をつぶっていたので、どういう人がどんな風に私を運んでくれたのかほとんどわからない。ひたすら我慢していると、やがて私は病院のベッドにいた。

病院にくれば何とかなる、
と思っていたが、到着してからもひたすら我慢するという状況は変わらなかった。
途中で吐き気も加わり、もだえ苦しんだ結果なかったはずの熱も出て、もういい加減にしてくれという苦しみのピークでCT検査へ。

そして急転直下

指示に従って決死の想いで2回バンザイポーズをして、CT検査を終える。
いつまでこの苦しみが続くのか。治療はいつ始まるのか。早くなんとかしてくれ痛い痛い。

痛い痛い痛い
痛い痛い痛い
痛い痛・・

あれ?

痛くない。

まるで最初からなかったかのごとく、私を苦しめていた痛みは雲散霧消していたのであった。 夢か幻か数秒前まであった腹痛が、もうすでに思い出せないくらい突然治った。

腹痛の最中、周囲の断片的な会話からなんちゃら結石であることはうすうす認識していた。
なんだか、さっきまで痛い痛いとうめき散らしていたことが急に恥ずかしくなった。

医者の先生の話によると、今回の事象の要点は以下の通りだ。
・腎臓と膀胱の間の尿管に結石がつまる「尿管結石」だったこと
・結石がつまりやすい箇所は3か所あり、もしかしたら第2陣、第3陣があること
・痛くなったら痛み止めの座薬を打って耐えるしかないということ

お守り代わりに座薬を受け取り、あるかもしれない第2陣の不安を抱えたまま帰路についたのだった。

保健体育の教科書に載せていただきたい

家に帰ってからネットで尿管結石について調べてみた。

おそるべくはその発症率と再発率の高さである。

男性のおよそ7人に一人が、尿管結石を含む尿路結石症を人生のうちに経験するのだという。
つまり、職場ですました顔で仕事しているあのおっさんも、そのおっさんも経験済みである可能性が高いのである。

しわしわの雑巾程度の認識でしかなかった職場のおっさんたちが、修羅場を潜り抜けてきた偉大な先達に思えてくるから不思議である。

さて、気になるのはその再発率であるが、

80~90%

え・・・?

80~90%

はちじゅうからきゅうじゅう%。

なんということか。
こちらの病院の情報によると、食事や生活に何改善もなされなければ、80~90%が再発するというのである。

ということは、あのおっさんもそのおっさんも、すました顔して日夜再発の恐れにおびえながら暮らしているのである。なんというおぞましい世界だろうか。

こんな恐ろしい病気が約16%で発症するのである。 男の心構えとして保健体育の教科書に載せておいてほしいものだ。

参考サイト
(一社)日本内分泌学会 Webサイト
http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php 東京女子医科大学病院 泌尿器科 腎臓病総合医療センター Webサイト
https://www.twmu.ac.jp/KC/Urology/disease/urinarystone/ope.php

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