日本の真ん中、生島足島神社をまんべんなくお参りする
日本全国「日本の真ん中」を主張する地域は数あれど、いちばーんありがたい日本の真ん中は長野県は上田市、生島足島神社(いくしまたるしまじんじゃ)である。
長野県でもっとも古い歴史をもつ神社の一つであり、平安時代の書物「延喜式」には諏訪大社と並んで「大社」としてその名が記されている。
見どころがぎゅっとまとまっているこの神社、のんびり周ってみると思いがけぬ発見がたくさんある。
今日は私とおっさんの二人で、じっくりと生島足島神社をお参りしてみよう。
私
長野県上田市に暮らす。
おっさん
私の旅の友達。
立派な鳥居が目印の生島足島神社
私:朱色がまぶしい立派な鳥居ですね。
おっさん:これだけ大きければ絶対見落とさないね。
上田市街地から神社がある塩田地域にむけて車で走ってくると、まず目に入るのはこの大きな鳥居である。(あとでかい看板も)
生島足島神社
長野県上田市下之郷中池西701
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公式ウェブサイト
池に囲まれた神社
私:お宮の周囲は池に囲まれているんですね
おっさん:池の中心にお宮があるのは歴史あるお宮の証拠らしい
私:ホントに?
おっさん:さあ
生島足島神社は本宮の周囲を池が囲っている。 池のグリーンに鳥居の朱色が映えてなんとも神秘的だ。たくさんの鯉や亀が暮らしており、期待を裏切らない神社の池である。
まずは本宮へ。2柱の神とその由緒
大きい画像を見るこちらが境内の案内図だ。これを見ると神池の中心に本宮があるのがわかる。また、駐車場は境内南側の他に西側にもあり、さらに混雑時には隣のお寺の駐車場にも停めさせてもらえるようなので、初詣シーズンのような混雑時でなければ問題なく駐車できるだろう。(無料)
おっさん:この地図の西鳥居あたりの所に床屋があってね。わたし、そこの常連だったの
私:はあ、そうですか
生島足島神社 本宮
この生島足島神社には、生島大神(いくしまおおかみ)と足島大神(たるしまおおかみ)の2柱の神様が祀られている。 かつて信濃の国が大和政権の勢力下に入ったころ、中央から派遣された信濃国造(しなののくにのみやつこ)が、朝廷に祭られていたこの神様をこの地に迎え祭ったと言われている。
また、この神社のご神体は「大地」そのものだそうで、通常神鏡とかのご神体が祀られているご本殿の中には神鏡どころか床板さえもなく、つまりは大地がご神体なのだという。
私:よめない名前だよなあ
おっさん:ますますありがたみが出るってもんだよ
子安社
本殿のすぐ脇に子安社というお社がある。良縁・子宝・夫婦円満のご利益があるとのことだが、境内には夫婦欅という夫婦円満を象徴するようなけやきもあり、夫婦二人で訪れると良いのかもしれない。
おっさん:夫婦二人で・・・ね
私:おっさん二人ですね
ご神橋
私:こっちの立派な橋は渡れないのか
おっさん:そっちは神様用だからね。初詣のときは特別に解禁されるみたいだね
生島足島神社本殿の前には二つの橋が架かっている。一つは石造りの参拝者用。もう一つはご神橋という名で、通常は参拝客は渡ることができないようだ。(神様の橋だからね。) 初詣の時は渡ることができるが、実際渡ってみるとなんだか畏れ多い気持ちになる。
本宮へのお参りが済んだらゆっくり境内を巡る
境内には歴史を感じさせる大きな欅がいくつもある。
諏訪社
諏訪社は、生島足島神社に付属する縁の深い神社であり、それを「摂社」と言うそうだ。神楽殿の裏手にあるので、見落とさないように注意が必要だ。
神楽殿
ご神橋と諏訪社の間にある建物。名前の通りここで神楽を舞うのだろうか。
私:ん?本宮、ご神橋、諏訪社と一直線に並んでますね
おっさん:もしかしたら ご神橋と諏訪社を結んでいるのかもね
歌舞伎舞台
私:ここ、入っていいの?
おっさん:入っていいみたいだよ
明治時代に建てられた舞台で、廻り舞台がある本格的な造りになっている。 昭和61年には県宝にも指定された貴重な建物だ。現在、建物の中には戦国武将の起請文が展示されているが、奉納行事の時には今でも舞台としては使われてるようだ。
地下の廻り舞台の仕掛け
地下への階段から廻り舞台の仕掛けを見ることができる。
私:うわースゴイ!実は地下にこんな空間が!って興奮しますね
おっさん:実際に動いているところもぜひ見てみたいね
戦国武将の起請文
起請文は、神仏に誓って約束する文書のこと。
生島足島神社には、かの武田信玄が自分の支配下の各武将に忠誠を誓わせた起請文が数多く納められている。武田信玄の傘下にどのような戦国武将が入っていたかがわかる貴重な資料だ。
私:現代で言う契約書みたいなものかな?
神池のまわりにもひっそりとお参りスポットが
境内の西側から本宮の裏側に回り込むことができ、そちらにもいくつかのお宮がある。 裏はただの林だとばかり思っていたのでびっくりだ。
八幡社
秋葉社
荒魂社
宇宙空間に表現された時間
私:おお、こっちにも何かある
"宇宙の中に時間がある。その宇宙と時間を同時に表現できたら・・・"
私:なになに、「宇宙空間に表現された時間」?
おっさん:???
私:???
どうやら宇宙的な何かを具象化したオブジェのようだ。まさか本宮の真裏にもこのようなオブジェが存在しているとは・・・神社と宇宙、なんだかとても神秘的だ。うーむ、奥が深いというか懐が深い生島足島神社。
動物がカワイイ
おっさん:せっかくだから鯉のエサを買おう
私:ええ~、よくあるやつじゃないですか。エサあげてなにが楽しいの?
た、
たのしい~!
一見静かな水面だけれど、エサをまくと水中からワラワラと大量の鯉が現れ、我も我もとエサをぱくぱくする様子は見ていてとても楽しい。そしてそんな鯉に交じって健気に泳いでいる亀を応援したくなる。写真をうまく撮れなくてこの楽しさをきちんとお伝えできないのが残念だ。
そしてガチョウがかわいい。
この池にはガチョウが住みついており、半ばアイドル化している。ぜひ会いに行ってほしい。
そば茶屋 生島の杜
駐車場の脇にはお蕎麦屋さんがある。 一見、やってるのかやってないのかわからないが、たぶん営業しているはずなので、ここでお昼を済ませてはいかが。
おっさん:オススメは天ぷらそばね
私:ごちそうさまです!
御旅所社と大鳥居
御旅所社(おたびしょしゃ)
生島足島神社から車で5分ほどの場所にあるお宮で、林の中にひっそりとたたずんでいる。7年目ごと(6年に一度)行われる御柱大祭の出発点だそうだ。
大鳥居
突如ポツンと地平に現れる大きな鳥居。
周辺には田畑が広がるだけなので、地元の人以外はいったいなぜここに大きな鳥居があるのか不思議に思うだろう。御旅所社を出発した御柱は、必ずこの鳥居をくぐる習わしなのだという。
わたし:こんなところにも生島足島神社ご縁の場所があるとは。
おっさん:私たちじゃなきゃ見逃しちゃうね。
生島足島神社 御旅所社
〒386-1211 長野県上田市下之郷 Google mapで見る
ちなみに、地元のケーブルテレビが生島足島神社境内のライブ映像をYouTubeで放送してくれている。このご時世、訪れるのが難しい場合はライブ映像を見て雰囲気だけでも味わってみるのも面白い。混雑状況の確認にも使えるぞ。
上田ケーブルテレビジョン 生島足島神社ライブカメラコンパクトな敷地に魅力が詰まった生島足島神社、信州観光の際に別所温泉の道すがら立ち寄ってみてはいかがだろうか?
参考
・信州の鎌倉 塩田平の文化と歴史(塩田文化財研究所)
・生島足島神社公式ウェブサイト(https://www.ikushimatarushima.com/)
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