霧ヶ峰~車山から八島ヶ原湿原まで、日本のファンタジー風景がそこにはあった
地獄のような暑い夏。
みなさま、いかがお過ごしだろうか。
日本全国が沸騰しそうな中、長野県の霧ヶ峰は8月の平均気温が19.8℃らしい。(霧ヶ峰へ行こうより)
そのような天国が、自宅から車で1.5時間くらいのところにあると聞き、
人ごみを避けつつ、涼を求めて出かけたのであった。
霧ヶ峰とは?
長野県の真ん中くらいにある高原。標高2000メートル弱で、夏でも涼しい。
周辺に複数の湿原があり、その風景の美しさはもはやファンタジー。
車山のハイキングから八島ヶ原湿原の散策まで、お手軽に自然を満喫できる。天然記念物に指定されているスゴイところなのだ。
さあて今回のコースは?
いろんなコースがあるが、せっかく行くので山も湿原も楽しめる欲ばりコースで行くことにした。
今回のスタート地点は車山肩というところ。(GoogleMapで見る)
自動車で車山肩まで行き駐車。そこから車山を登り、車山湿原側に下る。
蝶々深山をこえてぐるりと八島ヶ原湿原をめぐり、車山肩へともどる約5時間半のコースを予定している。
霧ヶ峰 登山レポート
スタート 車山肩
妻に声をかけたら
「疲れてるから行かない」
とのこと。
一人寂しく、車山肩までやってきたのであった。
車山肩の駐車場。無料で200台ほどが停められる。
車山へ行くスタート地点として人気のようで、そこそこの密である。
すぐわきにバス停がある。
アルピコ交通
トイレをわき目に、いざ車山にむけて出発。
途中にトイレはほとんどないので、良い子はここでキチンと用をたしておこう。
車山肩~車山
おだやかな登山道を登っていく。
稜線が美しすぎる。
スタートから5分で満足しそう。
す、涼しい・・・。
そして爽やかな青空・・・。
もう満足したから帰ろうかな・・・。
山をぐるりと回り込むような道をすすんでいくと、なにやら不思議な建物が見えてくる。
どうやらあの建物がある場所が頂上みたいだが、「怪しい実験施設に集う人々」みたいな絵面である。
下界での警察からの調査の手をのがれ、ここでひっそりとマッドな実験が繰り返されているのだろうか?
あっという間に頂上についた!
鳥居とお社があるので、このあとの山行の無事を祈ってお参りしていこう。
白い鳥居がなんだかとてもオシャレに見える。
うしろの景色もあいまって、この日、日本でもっとも爽やかな神社は間違いなくここだ。
登山中ずっと見えていた怪しげな実験施設。
存在感がすごい。これでは警察にすぐに見つかってしまうだろう。
怪しげな建物の正体は気象レーダー観測所でした。
黒い建物に怪しいオブジェが乗っている見た目は、アサヒビールの本社ビルを彷彿とさせる。
車山頂上からの眺め。
下界の街並み(茅野市)が一望できる。
車山~蝶々深山
さて・・・・
帰るか・・・
と本気で思うほど、ここまでの景色で満足してしまった。
しばらく逡巡したあと、「せっかくきたからもったいない」という貧乏性により、予定通り八島が原湿原を目指すことに。
来た道を戻らずに、反対側に下っていく。
下り側からは白樺湖が一望できる。途中まではリフトも通っているようだ。
うわー
と思わず声がでてしまうほど美しい景色。
目の前にひろがるのは草原と山々。
緑の草原にほそーく伸びる山道以外には人里の気配を感じされるものはなく、
アシタカがその辺をヤックルで走り回っていても違和感がない。
青空にむかって延びる道。
わたしの冒険は今ここからはじまる!なんて妄想がはかどる。
ところどころに看板がある。
ときどき「行き止まり」という表示があるのがちょっと恐い。
道中に立ちはだかるのは蝶々深山。
これを登らないといけないらしい。
ちなみに、親切に看板が立っているにも関わらず道を間違えて30分ほど無駄に歩き回ったせいで、だいぶ息が上がっている。
蝶々深山の頂上。
本当はゆっくりしたかったけど、道を間違えて時間をロスしていたので早々に立ち去る。
蝶々深山~八島ヶ原湿原
ここまでで、行程の1/3くらいが終わり。
後半の目玉スポット「八島ヶ原湿原」にむけてもう少し頑張ろう。
道端に動物の足跡があった。
ヒヅメのあと・・・ニホンカモシカだろうか?
チェックポイントの物見石(1785m)は、前衛的なオブジェみたいな岩だった。
恋人との待ち合わせにピッタリである。
目的地の湿原が見えてきた。
遠くからだと、ただの野原に見える。
物見石からくだると、一気に周りの景色が変わる。
なんだか湿原っぽくなってきた。
こんなところにトイレがある。
車山肩からここまでノントイレなので、トイレが近い人は注意しよう。
八島ヶ原湿原に到着。
そこには驚きの光景が!
八島ヶ原湿原~車山肩
スタートから約3時間。
とうとう最終目的地の八島ヶ原湿原に足を踏み入れた。
うわ
うわぁぁ
そこには、まさに絵にかいたような広大な湿原がひろがっていた。
でかいカエルとか、カッパとか、そいうのが出現しそうな、純度100%の日本のファンタジー風景だ。
看板には、八島ヶ原湿原をふくむこのあたり一帯は「霧ヶ峰湿原植物群落」として国の天然記念物に指定されている。
周辺を動物除けのさくで囲んだり、遊歩道を整備したりと、人々の努力によってこの美しさは保たれているのだ。
さて、帰る前にすこし休んでいこう。
八島ヶ原湿原から車山肩のあいだにはいくつかのヒュッテが点在している。
今回は「ヒュッテみさやま」で一息つくことにした。
このご時世で中には入れなかったが、すごくキレイな建物だった。
ヒュッテとは
山小屋の総称。ドイツ語でオシャレに言ってみたもの。ほとんどは有人だと思う。
山小屋とは思えないオシャレで充実したメニュー。
山でジュースや牛乳を飲むのは人類にとって最高の贅沢のひとつだ。
私はおしるこを注文した。
山小屋にきたらおしるこを注文すると決めているのだ(今回から)。
おしるこが嫌いでなければ、一度でよいから山小屋でおしるこを食べてみてほしい。
疲れたからだにほどよい糖分が染みわたり、あまりのうまさに涙を流すこと請け合いである。そのくらい山小屋で食べるとうまく感じる。
あとは車山肩まで帰るだけだ。
車のわだちが、ゴールが近いことを予見させる。
・・・
・・・・・
・・・・・・・
ぜんぜん近くなかった。
思った以上に岩場の登り道が長い。おしるこで回復した体力も汗といっしょに流れてしまったではないか。
ゴール!
スタートから約5時間半。
ようやく車山肩に戻ってきた。
わりと長い行程だったけど、みどころ満載で終始たのしい山行だった。
道もキレイに整備されて歩きやすく、目的地を絞れば短時間でも楽しめるので、また来たい場所だ。
おまけ
車山肩にあった看板。
標高が高いので、汗拭きシートが気圧差でパンパンに。
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