2ちゃんねるはなぜつまらなくなったのか?
「最近の2ちゃんねるはつまらない」
もう何年も前から繰り返し語られてきたこの話題であるが、流行り廃りやある程度の世代交代が行われる中で
そういった意見が出てくるのは自然なことだと思っていた。
しかしながら昨今の2ちゃんねる※は、時代の流れや自分の年齢など言い訳にできないくらい、致命的につまらなくなっているのを感じる。
おかげで高校生時代からの20年弱に及ぶ2ちゃんねらー生活からも卒業しそうな勢いである。
なお、私のおもな生息板はニュース速報、およびニュース速報(嫌儲)であるからして 今回の考察はこれらの板に対するものとご理解いただきたい。
※現在は5ちゃんねるだが、ここでは統一して2ちゃんねると表記する
何がつまらないのか
と言うかそもそも何が面白くて20年近く2ちゃんねるを見ていたのだろうか。
今でいうところの陰キャに属する自分にとっては、キラキラまぶしい連中への妬み嫉みや、
理不尽な社会への不満や弱音といった、日常では口にできない黒い感情を発散する良い場所だったのかもしれない。
「ああ、表の社会ではみんな言わないけど、裏では同じこと考えてるんだな」
と、ほかの2ちゃんねらーに対する仲間意識や一体感を持っていた。
また、多くは世間一般の価値観に対して、斜に構えた意見の集合であったのも もともとひねくれ者の自分には居心地がよかったのである。
「リア充爆発しろ!」とは(どこ発信の言葉かは知らないが)2ちゃんねるの特性を端的に示すセリフだったと思う。
ニュース速報からニュース速報(嫌儲)への大移住
それが数年前からだいぶ風向きが変わってきた。
大きな分水嶺となったのは、ニュース速報(以下、ニュー速)からニュース速報(嫌儲)(以下、嫌儲)への大移住である。
いわゆるステマ問題に端を発し、反アフィリエイト的な論調が急加速したのが2012年。
スクリプトによる大量の荒らし行為によって、ニュー速は一時ほとんど機能しなくなり
住民は嫌儲に移住したといわれている。
私もそんな移民の一人だったが、ニュー速の住民がそっくり嫌儲に移ったというにはかなり懐疑的である。
ある日突然スクリプト爆撃を受け、移住した先では殺伐とした反アフィリエイト感情が渦巻いている。 私はどこに迷い込んでしまったのかと、当時はかなり戸惑ったのを覚えている。
移住したように見せかけて、実は何者かによって住民がそっくり入れ替えられてしまったのではないかと思うくらい
雰囲気が変わってしまった。
そんな違和感を抱えつつも他に行く当てのない私は、この後ずっと嫌儲に居座ることとなる。
2ちゃんねるに渦巻く異常な憎悪
さて、見知らぬ板への移住にもめげずに2ちゃんねるを続けていた私であったが、 とうとう堪忍袋の緒が切れた。切れたというか徐々に踏みつぶされて擦り切れた。
その原因が、もはや反社会的といってもよいレベルの過度な憎悪の応酬である。 その多くが以下の2点に集約される。
1.ネトウヨ・パヨクといった2項対立による煽りあい
2.反フェミニズムによる女性叩き
ネトウヨ・パヨクといった2項対立による煽りあい
かつては、叩かれるのはクソスレを立てた「1」か、ニュースの元ネタとなる「気にならないヤツら」であり、
対立構造としては2ちゃんねるvs世間一般だったように思う。
それが今では同じスレ内で煽りあうという、不毛の大地に除草剤をまいてコンクリで固めるくらい虚無的な状況なのだ。
また、いくら政治家とはいえ過度に特定個人を貶したり、
根拠不明の行き過ぎた人種差別的な書き込みは見ているこちらが胸糞悪くなる。
反フェミニズムによる女性叩き
こちらもいつの頃からか過度な女性批判に走りすぎ、もはや目も当てられない状態だ。
もともと女性を馬鹿にする風潮はあったが、現在は常軌を逸している。
女性を女性器の名称で揶揄し、女性(と思われる書き込み)もそれに応酬するなど、もはや小学生でもやらない次元の低い争いが起きている。
ここでは、女性は男性に寄生し、自分では何もできず、淫らで、我儘で、そのくせ高望みな存在として語られるが、 そもそも「醜悪な女性像」に当てはまる人に現実世界で会ったことなど1度もない。 まさにネットの生み出した虚構の怪物と戦う不毛な戦士たちである。
さようなら2ちゃんねる
もはや「斜に構える」なんてレベルじゃない憎悪渦巻くこの板では、 共感や同調よりも、違和感や恐怖を感じることの方が多くなってしまった。
この文章を書いている時点で「嫌儲」を卒業して1週間ほど経つが、元の鞘に収まることはもうないだろう。 なんJやvipに移住するか・・・、おそらくこのまま2ちゃんねるを卒業するだろう。多分・・・。 いずれにしても、私のネットライフがこれで大きく変わることは間違いないだろう。
布団の中で寝転がって2ちゃんねるを見て、片目の視力だけ0.5に下がるなんてこともなくなるわけだ。
かつての2ちゃんねるは、私にってのリアルだった。
しかし今は得体のしれない化け物となってしまった。
さようなら私の青春よ。これから私は現実を生きるよ。
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